大阪高裁の高浜3,4号機運転差し止め仮処分決定取り消しに関して2017年03月29日 14:21

このブログでは昨年4月、川内1,2号機の運転差し止めを福岡高裁が棄却した際にも、

正しい事実認識に立った判断、決定でなければ、信頼のないものだと述べた。原発の安全性にかかわるような科学技術上の問題については、科学的、客観的に正しい認識に立った上での判断が何よりも大切なのである。

 

その意味で、予想していた通りとはいえ、昨年3月に指摘したような大津地裁の正しい事実認識に基づかない判断、決定が取り消される結果になったことは、司法の信頼にとっても良い結果になったと考えている。

 

しかしながら、一部マスメディアでは、科学的、客観的な正しい事実認識に立脚しようとせず、相変わらずゼロリスク論で感情論を先行させる論調(朝日新聞社説:あまりに甘い安全判断、毎日新聞社説:「万が一」に応えていない、東京新聞社説:あと戻りしてないか)が目立っており、残念なことである。

 

ただ、今回の再稼働反対論の新聞の中にも、今回の大阪高裁判断で、大津地裁決定での「福島第1原発事故の原因究明は建屋内の調査が進んでおらず今なお道半ばの状況で、本件の主張状況に照らせば津波を主たる原因として特定できたとしてよいのか不明」という福島の事故原因不明論が否定されたことに関しては、さすがに明確な反論ができないようで、毎日新聞が「 福島の事故で原発の安全神話は崩れ、原因究明も十分とは言えない」と述べる以外は、表立って反論していない。

実は、ほとんど報道されることはないが、先日の福島からの避難者に対する損害賠償に関して、国や東京電力の津波予見性を認めて賠償を命じた前橋地裁判決でも、明確に福島第一原発事故の直接原因は、地震でなく津波であると判断されているのである。

 

私は科学的、客観的な事実認識に立脚したうえで判断するのなら、それぞれの見識であり、多様な考えがあってもよいと考えるが、間違った事実認識に基づいて主張する、さらに悪い場合は、間違った事実認識に人を導くような主張をする人を決して信頼してはいけないのである。

 

このブログで取り上げてきた原発再稼働や放射線被ばくの問題とは違うが、最近マスメディアを賑わしている東京都の豊洲新市場の問題でも、議論している方が科学的、客観的な市場としての安全性の事実認識に立っているかどうかを見極めることが大切だと思う。

 

この点、当初は環境基準を大幅に上回る地下水測定結果で騒いでいたテレビなどでも、地下水の環境基準の意味と測定値の市場安全性に関する判断が冷静に語られるようになってきたことは、良い傾向ではないだろうか。




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