放射線恐怖症を煽る確信犯者に騙されてはいけない、読売新聞「原発と福島、風評被害の現実から」2014年08月28日 15:50

50.放射線恐怖症を煽る確信犯者に騙されてはいけない、読売新聞「原発と福島、風評被害の現実から」

 

読売新聞が「原発と福島、風評被害の現実」という連載記事を一昨日から始めた。

福島の風評被害について、現実を読者に広く認識してもらい、いわれなき風評被害をなくすことに役立つのだろうと、良い企画だと思っていたのだが、今日(8月28日)の記事を見て、暗い気持ちになってしまった。そこでは、いわき市の学校給食に地元産の米を採用することに反対の活動をしている鈴木さおりという女性が登場し、彼女の気持ちを語らせているのである。

その内容は、放射線とその健康影響に関し、このブログで何度も説明してきた内容とは異なるタメにする似非専門家たちの意見が反映されたもので、まさに放射線恐怖症を煽る人々の言説の影響を受けたものだからである。

この記事を読まれた方も多いと思うので、今回はこの記事についての私のコメントを紹介し、あらためて放射線に対する正しい理解を深めてもらいたい。

 

<正しい理解のために>

 

まず、今回の記事で出てくる学習塾経営の鈴木さおりさんという女性は実名で登場し、給食に福島産のお米を使うことに反対する署名運動を始めた活動家のようなので、放射線のリスクについて、科学技術的、客観的な知識に基づいて判断するという人ではなく、放射線の恐怖を煽ることが正しいと考える確信犯者だと思われる。私たちはこうしたタメにする確信犯者に騙されてはいけないのであるが、残念ながら、いわき市ではこの署名に6,800名もの人々が署名しているとのことで、私が暗い気持ちになったのである。

 

3.11当時いわき市に住んでいたこの鈴木さんの子供は、心配になって2011年11月に都内で内部被曝検査を受け、結果は、「内部被曝は認められない」であるのだが、測定値が友人より高いことでショックを受け、「できる限り放射性物質を遠ざけなければ」という結論になったという。

皆さんよく考えて欲しい。まず、「内部被曝は認められない」という結果を病院が答えているのに、それを信用せず、測定値(記事では何の測定値かわからないが、原発由来の内部被曝は認められないというのだから、人体にもともとあるカリウム40等の測定値のことだろう、人によって数値がばらつくのは当たり前)が高いことでショックを受けたという。

普通は、子供を心配し、ショックを受けたのなら、何故友人より測定値が高いのか、それがどういう意味を持つのか専門医に質問するのではないだろうか?どうやらこの人は、そうはせず、「できる限り放射性物質を遠ざけなければ」という結論にしているようで、確信犯者なのである。

こうした中で、昨年6月に学校給食に地元産のお米を使いたいという話が出、市教委の説明は国の基準よりも厳しい20ベクレル/kg以下の米しか使わない(実質的に福島産の米は全袋検査で検出限界以下がほとんど)という説明でも、「安心の基準は人それぞれ、一律に押し付けるべきではない」と反対する声があったという。

これも皆さんよく考えて欲しい。「安心の基準は人それぞれ、一律に押し付けるべきではない」というのは、おかしな論理ではないか?

自動車の制限速度は人それぞれでよいという人がいるだろうか?自動車の排ガス中の規制物質の制限基準濃度は、会社毎にそれぞれで押し付けるべきではないという人がいるのだろうか?特に専門家が科学技術観点から考え算出している種々の規制基準が一律に決められなくて、社会生活が成立するだろうか?放射線に関する規制の話になると、安心基準という変な基準が突然現れ、安心できないものはダメという話になる。それは、客観的な判断を無視し、他者の声を聞こうとしない確信犯者の論理なのである。

 

鈴木さんは「放射線の影響はまだわからないことが多い。給食に使うのは急ぎすぎ」という。

皆さんよく考えて欲しい。この主張はこのブログで繰り返し指摘した一部マスメディアや似非専門家たちの論理である。「低線量被曝の健康影響はわからないことが多い」ではなく、「リスクが十分小さいので、統計的に有意な結果が出ない」、「100ミリシーベルト以下の低線量被曝では、健康に対する影響は認められていない」ということである。つまり健康影響など心配する必要がないということなのである。

 

このブログの第5回で言ったように、「認められない」ということは「影響がでていない」ということで、これを「影響がわからない」と言い換え、どういう意図があるのかそれこそ「わからない」が、わざわざ「影響はわかっていないのです」と話をする専門家と称する方がおられるのである。この鈴木さんはまさにそうした人と同じ確信犯者のようである。

 

最後に、いわき市の給食への地元産米の復活は見送りが続いているそうで極めて残念であるが、いわき市の皆さんは、放射線恐怖症を煽る確信犯者に惑わされるのでなく、正しい知識をもって声を上げて欲しい。また、今回の記事を掲載した読売新聞には、このような記事を載せるのなら、その主張に何の意味があるのか、その主張に賛成するのか、漫画「美味しんぼ」の時もそうであったが、科学技術的に誤った主張を何の解説もなく掲載するのをどう考えるのか、何らかの説明があってしかるべきではないだろうか。




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